(京) / Country



「外ではアイドル、家ではぐうたら。これなーんだ?」
「うちの王様!」

――星鋼京でのいつもの言い回し。

“悲劇王” セタ・ロスティフンケ・フシミ 男爵

 terra領域に領土を持つ、帝國の藩屏たる藩王の一人。
 元々は王家の末席近くに座る存在。
 しかし、第二王女を娶ったことを契機に王家に積極的に関わり始めることになる。
 なお、第一王女との色恋沙汰も噂されたが、その件に関しては本人は茶を濁すばかり。

 歌う様に喋り、美しい言葉を幾つも並べる事に長ける。
 しかし、それらは聞き手を呆れさせるほど長く、中身が無い。 
 大抵の場合、本音や自身の心情は忘れたフリをして、隠してしまう不器用な男。
 浮ついた言動と取られる事が多い為か『浮気者』『ろくでなし』などとよく罵倒される。
 体格の良い北国人らしく、長身を誇る。
 
 座右の銘は「在るがまま也」
 
 字名は“悲劇王”
 かつて領土を燃やし、多くの国民を喪った事を今もなお忘れていない。
“王犬”ヌル・ツー

説明不要。今日のわんこ。
毛並みが金色になりましたっていうか、なにその輝き。
あと若干縮んだような――え、もしかして、二世?
 


気づいたら、伏見&奇眼の王犬がいなくて、このコがいました。
合体事故でもあったのかしら、いつも元気な男の子。
城の片隅で、今日もメードと遊んでます。放っておくと散歩と称して壁を登るとか。
見つけたら撫でてあげてください。喜びます。クリックしても喜びます。



「なんだって、星鋼京っていうんだい?」

「なんでも奇眼を星に、伏見を鋼に例えたとか」

――命名に付いての謂れ。


 星鋼京。それはかつて、奇眼と伏見と呼ばれていた二つの国が合併してできた国である。
 主要産業はI=Dと艦船製造を中心とする重工業と、資源の採掘による加工貿易。
 “悲劇王”セタ・ロスティフンケ・フシミ侯爵の治める領地でり、帝國でも大規模を誇る。

 星鋼京は厳しい冷え込みと豪雪の国である。同時に、一般に激しい起伏に富む国とされている。
 前者は事実であるが、後者はイメージに過ぎない。
 そのことは、国が広大な針葉樹林や小麦畑を有することから解ろう。
 だが、火の無い所に煙は立たぬとの言葉通り、そのような印象が広まったことには相応の理由がある。

 最大の原因は、国の東方に聳えるシティクス山の存在だ。山の麓は、ミューレンと呼ばれる針葉樹林に取り囲まれている。
 そのため、山を訪ねる者は、広大な林を抜けた途端、急角度の高山を目にすることになるのだ。
 その威容は現地の人間にとっても驚異的なものであり、来訪者が言葉を失って立ち尽くすことも珍しくない。
 シティクス山そのものも一年を通して雪に覆われ「白の貴婦人」と称される程の美観を有している。
 文人や画家にとっては格好の題材であり、山中の宿に長逗留する者も珍しくない。

 ミューレン樹林を東西に貫くのはアール河だ。鋭く澄んだこの河川を西に沿って行けば、
 首都『星の都』へと辿り着く。

 首都は大きく分けて二つの街並みで構成されている。
 一つは質実剛健な街並みの続く『旧市街』である。
 吹きすさぶ寒風と激しい積雪は、路上で眠れば凍死しかねないほどの寒さをもたらしてきた。
 必然的に、建造物は装飾性よりも実用性を重視することとなり、一分の隙もないほど堅牢に設計された石造りとなったのだ。
 当然のようにそれらの背は低く、目に付くほど高い建物は精々が宗教施設や鐘楼、そして時計台といったところである。

 もう一つが高層ビルの立ち並ぶ『新市街』である。
 近代的な建築物が立ち並び、複合型商業施設などが点在する地域であり星鋼京の事実上の中心部である。
 また、政庁などの政治機関も多く置かれており、重要な地域となっている。

 当然ながら『星鋼京』は藩国人がもっとも集中して住まう場所だ。
 国の気候ゆえか、藩国人には整った顔立ちの者が多い。特に肌と髪の白さは際立っている。
 そのため『星鋼京』は、一部では美人の名産地とされている。
 犬の耳を生やした女性もおり、藩国人が多数集まれば一種神秘的な印象を与えるだろう。

 西方には港湾区が広がる。
 オスト・マイバール造船所と、大規模拡大工事中のヴェスト・メイツェル港――
 輸送の重要性の向上と、新型輸送貿易船の登場による海運事情の一変により星鋼京は海運国家としての方向性も視野にいれつつある。
 もとより、多くの国と聯合関係にある星鋼京である。今後は更に輸送の必要性は大きくなり続けるだろう。

 国の産出品は小麦や馬鈴薯といった穀物に加え、林檎などの果物類などの食物も最近では輸出品目に数えられる。
 基本的に国民の多くが農業に従事しており、広大な土地も相まって小国の三倍ほどの生産量を誇る。
 また、それらの加工によるアルコール類も少数だが製造されている。
 中でもエールの醸造技術は飛びぬけており、夜の酒場には人が絶えない。
 また、年末年始には都をあげての乱痴気騒ぎが演じられる。
 雪国という厳しい環境のせいか、騒げる時は騒ぎ、耐える時は耐えるという国民性があるようだ。

 そして、それ以上に有名な産出品といえば、やはりI=Dである。
 共通I=D7種類に加え、藩国独自仕様品や、騎士専用機などのスペシャル機なども多く輸出している。
 それらを作り上げる工場群は不夜城とでも呼ぶべき稼働率で、朝も夜もなく稼動し続けている。
 また、生産のみならず、その殆どは開発などに当てられており、日の目を見ぬ作品が多く倉庫には眠っている。
 生産後の輸送の手間を省くべく、飛行場が隣接しており多くのI=Dや航空機はそこから直接輸送先へ旅立つことになる。
 飛行場は軍事利用もされているため、藩国内でも政庁群に比肩するほどの重要地帯である。
 作戦終了後の整備なども、この工場群を利用している。 

 
 また、国の東――シティクス山脈付近には『甲一種禁踏区域』と呼ばれる地域がある。
 その名を“廃都・冬京”という。

 tera領域標準暦・31107002――焦土と化した、かつての領地。

 星都の東に位置する一面の廃墟。
 かつて“冬の京”と呼ばれていた国が栄えていた土地であり、セタ・ロスティフンケ・フシミのかつての領地。
 第一次遷都以降、訪れるものも居なかった災厄の街。
  
 根源種族襲撃後も三日以上燃え続け、今では瓦礫と化した街には、動物や植物が居ついているのみである。
 しかし、旧王城などは陥落したものの、未だ地下部分は原型を留めており、地下保管所には当時の資料やI=D、試作機が残されているという。


 星鋼京――そこは新しきと古きが混ざり合う場所。
 かつての思い出と、これからの未来を共に抱き、今を生きる国である。